教授挨拶
 
   ・脳腫瘍に対する外科治療
   ・脊椎脊髄疾患に対する外科治療
   ・脳血管障害に対する外科治療
   ・セカンドオピニオン外科
西澤 茂 (にしざわ しげる)
浜松医科大学 脳神経外科助教授 医学博士
略歴
1978     信州大学医学部卒業
1978-1980 京都第一赤十字病院レジデント
1980-1981 浜松医科大学脳神経外科助手
1981-1983 清水厚生病院脳神経外科医師
1983-1985 焼津市立総合病院脳神経外科科長
1985-1995 浜松医科大学脳神経外科助手
1995-2001 浜松医科大学脳神経外科講師
2001-現在 現職1985-1987 米国マサチューセッツ総合病院脳神経外科 脳血管研究センター
研究員「クモ膜下出血後の脳血管攣縮発生機序解明の研究」
1997 スロベニア大学脳神経外科 頭蓋底手術における手術手技の研修
日本脳神経外科学会     専門医
日本脳神経外科学会     代議員
日本脳卒中学会        代議員
米国脳神経外科学会     会員
米国脳神経外科コングレス   会員

専門領域
脳腫瘍に対する外科治療
1. 脳下垂体腫瘍
脳底部には、トルコ鞍と呼ばれる小さな骨のポケットがあり、ここに脳下垂体という小さな組織があります。この脳下垂体には良性の腫瘍(下垂体腫瘍)が稀ならず見られます。脳下垂体は体中のホルモンのコントロールセンターで、様々なホルモンを分泌します。このホルモンを分泌している細胞から腫瘍ができると、血液中のホルモンの値が高くなり、体中に様々な合併症を起こします。単なる一つの「脳腫瘍」というだけでなく、高血圧、糖尿病、肥満、心臓病、脳卒中といった重大な合併症を引き起こし、時には生命が危険な状態になることがあります。成長ホルモン産生腫瘍(末端肥大症、巨人症)や副腎皮質刺激ホルモン産生腫瘍(クッシング病)ではこうした合併症が高率に見られます。またプロラクチン産生腫瘍では、不妊、無月経といった症状が見られます。こうした脳下垂体腫瘍に対しては、「経蝶形骨洞下垂体腫瘍摘出術」といって、鼻から腫瘍の摘出術を行います。この方法だと、脳を全く触らないで手術することが可能です。ただ、この手術は脳神経外科のなかでも極めて特殊な方法で、手術で腫瘍を摘出し、手術のみでホルモンの正常化を図る様にするためにはその手術手技に高度な専門性を要求されます。また、脳下垂体を専門とする内分泌内科医と共同で治療に当たることが必要です。また、脳下垂体腫瘍の中には、ホルモンを産生しないタイプの腫瘍があり、この場合は視力の低下や視野の障害といった症状で発症します。手術の方法は全く同じ方法で手術します。
もし、「脳下垂体腫瘍がある」と診断されたら、脳下垂体腫瘍を多く取り扱っている、専門医のいる病院を受診されることをお勧めします。浜松医科大学脳神経外科では、年間40例に及ぶ脳下垂体腫瘍の手術を行っています。また、脳下垂体を専門とする内分泌内科医、第二内科沖 隆(おき ゆたか)講師と共同でその治療に取り組んでいます。入院期間は一般的にいって1-2週間です。「脳下垂体腫瘍があり手術が必要」と診断され、手術や術後の経過に不安を感じられたら、浜松医科大学脳神経外科を受診してみて下さい。
2. 脳下垂体近傍腫瘍
脳下垂体の近くには、脳下垂体腫瘍だけではなく、頭蓋咽頭腫や髄膜腫といった、他の脳腫瘍がよくできます。脳下垂体腫瘍と同じ様にホルモンの症状や、目の症状で発症します。この部位の腫瘍も手術が難しい場合が多く、多くの症例を手術している病院での治療をお勧めします。浜松医科大学脳神経外科では、この部位にできた多くの腫瘍の手術を行っています。特に、「頭蓋底手術」といって、頭蓋骨の底を削ってできるだけ脳に障害が加わらないようにする手術方法があります。この手術方法を海外の専門家に師事して研修を積み、浜松医科大学脳神経外科では、
こうした特殊な手術手技を用いて手術しています。もし、このような病気で手術が必要であると診断され、不安を感じられることがありましたら浜松医科大学脳神経外科を受診してみて下さい。
3. その他の脳腫瘍
脳の中には、実に多くのタイプの腫瘍が発生します。良性の脳腫瘍から悪性の脳腫瘍まで様々です。良性か悪性か、あるいは腫瘍ができる場所によっても、手術を中心とした治療の難しさが異なります。浜松医科大学脳神経外科では、頭蓋底手術といった特殊で高度な専門性を要求される手術手技や、ナビゲーションといって手術中に脳の深いところにできた脳腫瘍の場所や広がりを同定する方法を用いて様々な脳腫瘍に対応できる体制を整えています。もし、脳腫瘍があり手術が必要であると診断され、手術や術後の障害に不安を感じられることがありましたら、浜松医科大学脳神経外科を受診してみて下さい。できるだけ分かりやすく、浜松医科大学脳神経外科の手術成績をお示しして説明させていただきます。
4. 小児に脳腫瘍
15才くらいまでの子供さんに残念ながら、脳腫瘍が発生することが稀ならずあります。子供の脳腫瘍にも良性のものから悪性のものまで、様々なタイプの脳腫瘍が発生します。子供の脳腫瘍は大人と違って、ただその腫瘍を外科的に治療する、というだけでなく、その後の成長、治療期間の教育など様々な点に配慮をして治療に取り組む必要があります。脳腫瘍を専門にしている脳神経外科医だけではとても十分な治療ができません。特に、悪性脳腫瘍の場合は、手術後の化学療法や放射線療法が必要不可欠となってきます。こうした術後の治療を専門とする小児科医と共同で治療に取り組まなければなりません。浜松医科大学脳神経外科では、小児専門病棟で化学療法を専門とする小児科医と共同でこれまで多くの子供の脳腫瘍の治療に取り組んできました。治療中の教育を考え、院内学級も整備されています。もし、子供さんに脳腫瘍があり手術が必要であると診断されましたら、ご両親の不安は計り知れないものと思います。その時は、浜松医科大学脳神経外科、あるいは浜松医科大学小児科の化学療法を専門にしている小児科医を受診してみてください。子供産、ご両親の不安を払拭できるようにできるだけ分かりやすく治療の方法、術後の経過、術後の治療、治療中の教育などについてご説明させていただきます。

脊椎脊髄疾患に対する外科治療
浜松医科大学脳神経外科では、脊椎・脊髄の病気に対する外科的治療を  
数多く行っています。対象となる病気は頚椎から腰椎にいたるまでとり扱っております。頚椎では、頚椎変性疾患として、変形性頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、それに脊髄にできる腫瘍(脊髄腫瘍)です。変形性頚椎症は、頚椎の骨と骨との間にある椎間板〔軟骨〕がすり減って、頚椎の骨に刺のような骨の「出っ張り」ができ、脊髄を圧迫して症状を出す病気です。椎間板ヘルニアは骨と骨との間にある軟骨出ある椎間板が後ろに飛びだして脊髄を圧迫します。後縦靭帯骨化症は脊髄の前にある後縦靭帯という靭帯が骨のように硬くなり脊髄を圧迫します。症状はどの病気もほぼ同じで、初めは手足の先のしびれで発症し、そのうちだんだん手の動きが悪くなる、歩きにくくなるなどの障害がでます。手術には病気の種類、病気のひどさ、病気の広がりによっていろいろな方法があります。
脊髄の手術は、一般に「怖い手術」と思われがちですが、脳神経外科では顕微鏡を用いて、大きく拡大し細かい手術を行っています。最近は脊髄の手術も安全に行われるようになり、その術後成績も格段に良くなっています。特に最近は、インスツルメンターション手術といって、チタンとう金属でできた脊椎を固定する器具がいろいろ開発されました。これを使うことによって、術後安静にしなければいけない時間、退院までの期間が格段に短くなりました。一般的に頚椎の手術をしても、翌日から歩くことは可能ですし、2?3週間で退院できます。ただ、脊椎・脊髄の外科治療は、やはり高度な専門性を必要とします。一つ間違えて脊髄を傷つけるようなことがあれば、一生手足の動きの障害、ひどければ寝たきりの状態になってしまします。浜松医科大学脳神経外科では、最近このインスツルメンターション手術を多く利用して、できるだけ患者さんの入院期間を短くするようにしています。これまで、手術で障害を負われた患者さんは幸いにして一人もありません。もし、手足のしびれ、動きが悪い、歩き方が悪くなったなどの症状を自覚されることがありましたら、浜松医科大学脳神経外科を受診してみて下さい。
腰椎には、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎管狭窄症、腰椎すべり症などの病気があります。顕微鏡下で手術をすれば、術後1週間余で退院する事ができます。腰の痛み、足のしびれ、長く歩くことができない、などの症状は腰椎の病気の典型的な症状です。できるだけ早くMRI を撮って、病状、治療法について分かりやすく説明させていただきます。
脳血管障害に対する外科治療
最近、人間ドックだけでなく、MRI を使った「脳ドック」がさかんに行われる様になりました。その結果、いわゆる「未破裂脳動脈瘤」が見つかるようになりました。これを手術するかどうかは大問題です。破れると「クモ膜下出血」という致死的な病気になりますが、破れる確率はそれほど高くないことが最近の調査で分かってきました。また、「破れる前に手術しましょう」と言われ手術を受けられた方で、何も症状がなく元気にしておられた方が手術によって重大な合併症を負われてしまった、という例もあります。そうした意味で、脳ドックで偶然見つかった「未破裂動脈瘤」を手術するべきかどうかは大きな問題です。浜松医科大学脳神経外科にも、他の病院で手術を勧められたが迷いに迷われて、いわゆるセカンドオピニオンを求めて、手術するべきかどうかで受診される方が最近急増しています。外来で時間をかけて、手術した場合の利点、合併症、手術をしなかった場合に起こりうることを説明させていただいております。これまで、最終的に手術を決断され、浜松医科大学で「未破裂動脈瘤」を手術させていただいた方はすでに70人以上の方がいらっしゃいますが、幸いこれまで一例の合併症もなく、元の生活に戻っていただくことができました。もし、決断に迷われて今後の治療方針に不安をいだかれることがありましたら、浜松医科大学脳神経外科を受診してみて下さい。浜松医科大学脳神経外科での治療方針、治療成績をお示しして、できるだけ分かりやすく説明させていただきます。
セカンドオピニオン外来
最近、さかんに行われるようになった「脳ドック」で、見つかって欲しくない脳の病気、偶然見つかった脳腫瘍、未破裂動脈瘤などが見つかってしまうようになりました。こうした病変をどのように治療したらよいのか、またそのまま放置しても良いものか。初めに受診された病院の脳神経外科医から手術を勧められ、不安になり判断に迷われる方も多いかと思います。そのような時には、ぜひ他の脳神経外科医の意見もお聞きになることをお勧め致します。浜松医科大学脳神経外科では、金曜日午後から「セカンドオピニオン外来」を行っております。直接浜松医科大学脳神経外科、金曜日の午後の外来にいらしていただいても結構ですし、事前に電話で連絡をいただけましたら受診日、受診時間を予約させていただきます。電話でも、ファックスでも、メールでも結構です。いつでもご利用下さい。
e-mail : nisizawa@hama-med.ac.jp
 
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