医療関係者・学生向け 入局のご案内

出産育児支援

浜松医科大学小児科では、子育てしながら働く医師を積極的にサポートしています。特に女性の場合には、妊娠・出産や、母乳育児などで、勤務への影響が大きく、心配される方も多いと思います。仕事に早く復帰したい、育児を優先したい、など色々な希望に細やかに対応しています。
男性医師に対しても、伴侶の出産や育児に必要な休暇の取得は積極的に進めています。
詳しくは個別にも対応・相談させていただいています。
どうぞお気軽にご相談にきてください。

実際の育児中のママ女医への医局・大学としてのサポート例

ケース1:パワフル型

● 家族形態:夫(内科医、大学病院勤務)、子3人。双方とも実家は遠方。
● 産休明け(産後8週)に復職。
● 妊娠・育児中の当直免除(希望により当直も可能ですが、働く女性・男性のための出産、育児に関する公的な制度**により時間外労働は免除されます)。

【 これまでの略歴 】
 医学部卒業後、浜松医科大学小児科医局入局(現在の研修制度とは異なり、スーパーローテイトは必須ではありませんでした。)
 大学病院および市中病院にて小児科の臨床を4年間経験
 卒後5年目 小児科専門医(当時は認定医)を取得。サブスペシャリティーとして、小児内分泌を選び、臨床経験を積む。
 卒後5年目 浜松医科大学医学部大学院に入学し基礎研究を学び、4年後に医学博士号を取得。
 第1子出産 (大学院4年生の冬、32歳)。その後、浜松医科大学大学病院小児科医員として勤務。 
 卒後9年目 サブスペシャリティー(内分泌)の専門医を取得。
 卒後10年目より2年間家族で渡米。夫婦で博士研究員として、大学にて基礎研究に従事、その間に第2子を出産(36歳)。
 卒後12年目より、浜松医科大学小児科に勤務し、小児科および小児内分泌疾患に関する外来診療(病棟および当直は免除されています)、培養細胞やヒトサンプルを用いた基礎研究に従事。 
 卒後15年目 第3子を出産 (39歳)、産休開けに復帰し、これまでの診療および研究を継続中。

【 ある一日 】
 5時半起床。真ん中の子供のお弁当を作成。正味10分。キャラ弁からはほど遠い。「だれもおきてこないで~」と念じながら、超特急(3歳児と乳児は、起きても、ぐずるか泣くので、手がかかるのです)。
 6時15分、一番上(小学校1年生)と夫起床。そのあと2番目起床(幼稚園)。3番目(赤ちゃん)はいろいろ。朝食を小学生優先で開始。3番目だれかが(手があいていれば)あやす。長男も戦力のうち。 
 6時50分 長男登校
 7時30分 次男を保育園へ(夫送迎)*1
ベビーシッターさん到着、赤ちゃんのシッティング開始*2 
 8時 出勤 
 8時15分 職場到着、外来開始までメールのチェック、ときに培養細胞のメンテナンスなどを。静かで貴重な時間。
 9個-12時まで外来診療。外来終了後、自宅へもどり授乳*3 
 13時より、実験および、実験のデータを解析*4 
 15時 搾乳(絞った母乳は、冷凍しておき、ベビーシッターさんに飲ましてもらいます) 
 16時30分まで、実験やデスクワークを続けて、帰宅。シッターさん終了
 17時30分 長男と次男のお迎え(赤ちゃんも一緒に連れて行きます)。上の子供達も疲れもありぐずぐずするので、ちょっとしたお菓子を鞄にいれて、出発!
 18時 自宅に到着。ここからは、大忙し。長男に学校の準備をさせ、保育園の汚れ物のために洗濯機をまわし(第1回目。このあと2回まわします)、楽器のお稽古をさせ、学校や園のプリントに目をとおし、夕ご飯を準備し(下準備はほぼ終了なので、10分以内でどうにか子供には提供可能)などなど。赤ちゃんは、泣くと長男がだっこしてくれたり、だっこひもに入れたり、泣かされっぱなしだったり。

 19時 夕食スタート。
 19時30分 入浴。3番目はまだ乳児ですが、お兄ちゃん達と入る「おふろが大好き!この時間に、上の2人の話しも聞けるので、とても貴重な時間です。
 20時30分までには、ねんねの準備を完了させて下の2人を寝室に連れて行きます。長男は、自分の部屋で、好きな本を読んだり勉強をしたり、自分の時間を過ごします。下の2人を添い寝(3歳児も甘えん坊で、まだまだ一緒にねんねです)で寝かしつけ。あかちゃんに授乳しながら、iPadでメールチェックをしたり、調べものをしたり。
 21時30分 残った家事と(元気が残っていれば)仕事。夫の帰宅は21時-23時くらい。ときにいっしょに夕ご飯(と晩酌)を楽しみます。
 22時30分 就寝 

ケース2:バランス型

● 家族形態:夫、子1人(双方とも実家は遠方)。産後6カ月での復職。
● 妊娠中当直免除(**)、体調不良による休職→外来・病棟医の担当変更、Eメールでの勤務希望についてのやりとり
● 医大内職員保育所での保育(*1)
● 発熱時のベビーシッター依頼(*2)
● 外来半日勤務(週4)
● 子供の体調不良時の外来・外勤の交代者の設定

【 メッセージ 】
卒後10年目です。
 なかなか子供ができなかったこともあり、育児を堪能したいという思いがあって、現在の勤務形態を選択しました。小児科の仕事もやりがいを感じているので、妊娠前の自分のイメージでは、妊娠中は産休ぎりぎりまでばりばり働いて、子供たちやご家族、同僚の先生方に迷惑をかけないよう完璧に引継ぎをして、産後は子供の状態を見ながらゆっくり復帰、と計算していました。実際は、初期はつわりで、体が思うように動かず、安定期に入ったと思ったら張り切りすぎたためか、切迫流産で突然、入院・出産まで自宅安静、と最も各方面に迷惑をかける結果に・・。上司や同僚の先生が、本当に早急に診療の代務体制をとって下さったので、多分、患者様への迷惑は最小限で済んだのではないかと想像していますが、妊娠・出産を軽く考えすぎていたと思い知らされました。産前の休業のあせりもあり、子供が6ヶ月の時点で早めに復帰をしました。両方の両親が遠方で、主人も企業で勤めており残業続きと援助を求めにくい状況で、不安の大きいスタートでしたが、結果的には大成功でした。
 まず、最も心配だった、子供の急の病時の対応です。保育園での発熱時は、医大の保育所ならではかもしれませんが、発熱時に親と状態をみて電話相談し、状態が良ければそのまま別室でお迎えの時間まで様子をみてくれ、必要時は医大へ保育士さんが受診に連れて行ってくれました。登園前に調子が悪いときは、急な時でも、ベビーシッターさんが対応してくれ、今のところ困っていないです。ベビーシッターさんは、担当制で、基本的に同じ方が来て下さるので、感覚としては頼りになる};3人目のおばあちゃん(お孫さんがいる方が担当ですので、失礼ですが、おばあちゃんと呼びます。)ができた!という状態で、具合があまりよくない子どもを預けるのも、今となっては不安なしです。育児休業中は子どもが退屈して泣くことが多く、散歩やショッピング、コミュニティーセンターと出かけ先を探して、かなり大変でしたが、保育園がとても楽しいらしく目をきらきらさせて通っています。迎えに行っても気づかず遊び続けているときは、少し寂しいくらい、です。そして乳児同士でも意外でしたが交信し合って楽しんでいるようで・・。大人には人見知りするのに、子供には自分から手を伸ばしてつっこんでいきます。乳児といえども子ども同士の世界があるんだな、と知ったのは嬉しい驚きでした。自分自身も仕事もできることで、気持ちの切り替えもでき、家にいる時間もより充実して子と向き合えるようになったと感じています。
 風邪はどうしてもひいてしまう回数が増えましたが、子供の喜び方をみていると差し引きプラスでした。
 職場も小児科ならではかもしれませんが、子育てする人にすごく寛容で、男女・職種問わず、自然に応援や助け合いをしている雰囲気があるので、気遣いや遠慮をしなくてよいところもありがたいです。
卒後年数、家族の状況、イメージする勤務形態等、個々によって子どもを持ちながらの働き方は、様々と思いますが、私達の実例を見て頂き、少なくとも漠然とした不安を払拭して頂けましたら幸いです。

ケース3:アクセル型

● 家族形態:夫、子1人(双方とも実家は近く)。
産後4カ月で関連病院での復職、産後6ヶ月で大学病院勤務
● 卒後6年目、小児科専門医

【 メッセージ 】
● 妊娠中(関連病院にて)
小児科の常勤医が5人いるという関連病院の中では比較的人数の充実した病院だったためか、かなり配慮をしてもらえました。働きたい気持ちも強かったので、通常業務はフルで働き、妊娠5ヶ月より当直免除、妊娠7ヶ月よりオンコール免除してもらいました。
しかし、3月の大震災後から調子を崩し妊娠33週から切迫早産で入院。そのまま産休となりました。突然の入院だったので、引き継ぎが全くできず患者様やスタッフにはかなりの迷惑をかけてしまいました(入院中、専門医試験の準備などもしていました→産後5カ月時に受験し無事に合格しました)。
● 産後~関連病院にて復帰
出産後は夜間の授乳に慣れてくると、時間を持て余すことが多くなり(親子ともども2人きりに飽きてしまい、せっせと子育て支援センターなどに通っていました)早く復帰したいなという気持ちが強くなってきました。ただ、やはり小さな子を預けないといけないという不憫さとの葛藤もあり悩みました。でも「お母さんがいきいきしていないと子供も嬉しくない!」と半ば強引に自分を納得させ復帰を決意しました。関連病院には院内保育所がなかったため、保育園を探し一時保育という形で預け先を確保。産後4カ月で外来中心の週2回勤務&週1回程度の夜間救急センター勤務(準夜帯)で復帰しました。(救急センターは産休明けのリハビリ?目的で市の小児科医会にお願いし働かせてもらいました)
● 大学病院への転勤
人事の担当の先生と相談の上、産後6カ月で大学へ勤務することとなりました。Eメールで勤務希望についてのやりとりをし、・病棟中心の終日勤務(週4日)・時間外勤務、休日勤務をほぼ免除(病棟患者はチーム制で診ています)・当番は日直のみ、あるいは月1回程度の当直という条件での勤務となりました。今回は大学職員の子供のための保育所(*1)があるので保育所を探さずに済み、本当に助かりました(女性医師復帰プログラムを利用させてもらっているので、子供の体調不良時にはベビーシッターさん(*2)もお願いできるので心強いです)。また敷地内に保育所があるので、勤務中のお昼休みに授乳(*3)しに行けるのも助かっています。私が大学に勤務することとなった一つの理由として、実家が近くにあるということです。子供が調子の悪いときに預かってもらえる人が何人かいるというのは本当に心強いです。 
 時間外や休日に働けない分、同じチームの先生に迷惑をかけたり、また自分の気持ちとしても後ろ髪を引かれる思いをするときもありますが、周りの方々に感謝(特に子供と主人に)し、今、自分にできることを無理なくやっていきたいと思っています。子供が1歳になるのを目処に週5日勤務にしてみようかなと思っていますが、自分の体調と子供の様子でゆっくり考えていくつもりです。

*1医大内職員保育所での保育(病児への対応について;基本的には38度以上は預かることができません。保育時間内に発熱や、その他の病状があるときは、保護者との電話相談で、保育士が医大へ同伴して親の代わりに受診するか、状態がよければ、そのまま保育所内でお迎えの時間まで別室保育の対応をしてもらえます。(注;一般的にいう病児保育ではありませんので、あくまで、登園中に具合が悪くなった時のみの対応です。))
*2ベビーシッターは、「静岡周産期医師長期支援プログラム」(女性医師復帰支援プログラムの一環として(http://www2.hama-med.ac.jp/w1b/obgy/syusanki/index.html)費用助成があります。ベビーシッターは大学と提携している全国ベビーシッター協会登録のベビーシッター会社から派遣されるプロの経験豊富なシッターさんです。当日の発熱などの要請にも対応しています。 
*3勤務中の授乳のための休憩は、法律でも認められている権利です。
*4「静岡周産期医師長期支援プログラム」は、女性研究者への援助も含まれており、自分の研究プロジェクトに対して、実験を補助する人材を提供しています。外来診療中にサンプルのPCRを行ってくれていたので、午後に解析できます。

働く女性・男性のための出産・育児に関する制度

● 産前・産後の健康管理
妊産婦は事業主に申し出ることにより、次の保健指導または健康診査を受けるために必要な時間を確保することができます。

  • 妊娠23週までは4週に1回
  • 妊娠24週から35週までは2週に1回
  • 妊娠36週以後出産までは1週に1回

ただし、医師や助産師の指示でこれを上回ることもあります。
● 産前、産後、育児期の労働

  • 妊産婦は事業主に請求することにより、時間外労働、休日労働、深夜業(午後10時から午前5時までの間の労働)が免除されます。
  • 1歳未満の子を育てる女性は事業主に請求することにより、1日2回少なくとも各30分の育児時間をとることができます。

● 産前、産後の休業

  • 産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)は事業主に請求することにより、休業することができます。
  • 産後8週間は、事業主はそのものを就業させることができません。(ただし本人の請求があれば産後6週間で就業可能です。)
  • 妊娠、出産、産休取得等を理由とした解雇そのた不利益な取り扱いは禁止されています。

● 育児休業、短時間勤務制度等
◎育児休業制度

  • 子が1歳に達するまでの間(保育所に入所できない等の場合には子が1歳6カ月に達するまでの間)は事業主に申し出ることにより、父・母いずれでも育児休業をとることができます。
  • パパ・ママ育休プラス
  • 父母がともに育児休業を取得する場合は取得可能期間が延長され、子が1歳2カ月に達するまでの間に父母それぞれ1年間まで育児休業を取得できます。

◎短時間勤務制度

  • 事業主は1定の条件を満たす3歳未満の子を養育する男女労働者について、短時間勤務制度(1日6時間)を設けなければいけません。

◎所定外労働の免除制度等

  • 3歳未満の子を養育する男女労働者は一定の条件を満たす場合、事業主に請求することにより所定外労働が免除されます。
  • 小学校入学までの子を養育する男女労働者は一定の条件を満たす場合、事業主に請求することにより、深夜業(午後10時から午前5時までの間の労働)が免除されます。
  • 小学校入学までの子を養育する労働者は、一定の条件を満たす場合、事業主に請求することにより、1年につき150時間、1か月につき24時間を超える時間外労働が免除されます。

◎子の看護休暇

  • 小学校入学までの子を養育する男女労働者は、1年につき子が一人なら5日、子が2人以上なら10日まで看護休暇を取ることができます。

◎不利益取り扱いの禁止

  • 育児休業を取得したこと等を理由とした解雇その他の不利益な取り扱いは禁止されています。
    (以上の問い合わせ先: 労働局雇用均等室)

●出産育児一時金・出産手当金など

  • 出産に当たっては、出産育児一時金や出産手当金が支給される制度があります。また育児休業期間中には、社会保険料が免除される制度もあります。
    (問合せ先:勤務先、全国健康保険協会、健康保険組合など)

●育児休業給付

  • 育児休業を取得した時は、一定の要件を満たした場合に、雇用保険から休業開始時賃金月額の40%(~50%)相当額を育児給付金として支給される制度があります。
    (問合せ先:公共職業安定所(ハローワーク))
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