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副腎・腎疾患の腹腔鏡下手術
浜松医大助教授  鈴木和雄 (すずきかずお)
 (静岡新聞 1997.3.26 医療技術の最先端46 から修正してあります)

  副腎疾患に対する腹腔鏡下手術
 副腎は腎臓の上にある小さな臓器だが生命維持に必要な種々のホルモンを産生している大切な臓器です.この副腎に発生する褐色細胞腫などのホルモン産生腫瘍は放置しておくと時には死に至ることもある臨床上重要な疾患です.しかし,正確な診断のもとに手術で腫瘍を摘出すれば,高血圧,精神不隠などの症状が劇的に改善する疾患でもあります.以前は側腹部や背中を大きく切開して腫瘍を摘出する方法が行われていましたが,最近では腹腔鏡下手術の良い適応とされています.私たちは平成4年2月に世界に先駆けて副腎褐色細胞腫に対する腹腔鏡下手術に成功し,その後現在までに60人以上の患者さんに腹腔鏡下副腎摘除術を施行しています.この手術の最も優れた点は,手術の痛みが少ないため患者さんの術後の回復が極めて早いことです.手術の翌日には食事や歩行が可能となり,術後4日目頃には退院することが出来ます.最近では腹腔内に入らずに後腹膜腔で手術をする後腹膜腔鏡下副腎摘除術を行っており,術後の痛みがさらに軽減され,患者さんに喜ばれています.

  腹腔鏡下手術とは
 腹部に1cm程度の小さな穿刺創を3-4カ所おき,炭酸ガスを腹腔内に注入し,穿刺創から内視鏡を挿入して手術を行う方法です.従来のお腹を切る開放手術に比べて,術後の痛みが極めて少ないのがこの手術のセールスポイントです.日本では1990年頃から主に胆嚢結石に対して行われていましたが,最近では泌尿器科領域でも盛んに行われるようになりました.

  腹腔鏡補助手術
 さらに、腎臓の腫瘍の摘出や生体腎移植の移植腎摘出のように、腎臓をそのまま一塊として体外に取り出す必要がある場合には、腹腔鏡補助下に手術を行う方法が開発されました。この方法は、腹腔内への炭酸ガス注入が不要であること、直視下に手術が出来るので手技が易しいこと、腫瘍を一塊として体外へ取り出すことが出来ることなどが特徴です.
 この手術では、従来の大きな皮膚切開の代わりに、約5-8cm程度の皮膚小切開と1cmの小さな穿刺創を2-3カ所おいて手術を行います。とくに生体腎移植の腎提供者は健康な人たちなので、腎移植のためとは いえ体に大きな傷をつけるのは移植医としても心苦しい限りなので、この方法を利用しています。

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