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前立腺肥大症の治療
ハイテクを駆使して医療の先端を行く

浜松医大教授  藤田公生 (ふじたきみお)
 (静岡新聞 1997.3.18 医療技術の最先端45 から改変してあります)

 高齢男性の悩みの種である前立腺肥大症の治療も、近年、ハイテクの進歩とともに、次から次へと新しい治療法が出現し、様変わりをみせています。

  高温度療法
 入院するひまはないというひとのためには、ごく特殊な装置を組み込んだ管(カテーテル)を尿道のなかにいれて、マイクロ波やラジオ波などで前立腺を1時間ほど加温する方法があります。この方法は、前立腺が治療後に一時的に腫れるので、カテーテルを1〜2日間留置する必要がありますが、その後は排尿が楽にできるようになります。静岡県内には静岡赤十字病院が最初に導入し、その頃は健康保険では認められていなかったので、かなりの金額を自分で払わなければならなりませんでしたが、いまでは保険適応になっています。
 静岡県下では浜松市の丸山病院、袋井市のみつはし医院、大井川町の平井医院、富士宮市の指出医院などでもこの器械を導入してあります。
 外来で出来るということは、結果にそれほど多くは期待できないということであり、効果の持続は2年くらいのつもりでいた方がよいようです。この種の機械は現在もいろいろ検討・開発が続いていて、直腸から加温する方式のものもありますが、治療効果を上げようとして機械を強力にして大量照射すると麻酔と入院が必要になるというのが悩みです。

  レーザー療法
 もし治療のために入院してもよいというのでしたら、内視鏡で観察しながらレーザー照射するという方法があり、いろいろな器具が開発されました。これも最初は簡単に出来ることが強調されましたが、高温度療法と同様に治療後に腫れが来て、しかも腫れがひいた後も期待したほどの効果が得られないために、次第に大量の照射をするようになってきました。
 レーザー発生源の方に改良を加え、ホルミウムを利用した強力な装置が最近開発され、静岡県下では藤枝市立総合病院で検討が進んでいます。

   電気蒸散法
 内視鏡で見ながら、強力な電極で局所を高温にして、前立腺組織を蒸散させようという方法が最近脚光を浴びるようになり、この方法はTUVPあるいはTVPと呼ばれ、出血が少ないとされています。しかしこれも大きな前立腺を蒸散させるのには時間がかかるので、以前のような切除法に戻る傾向があります。

   経尿道的高周波切除
 前立腺組織をもっとも効率よく除去できる方法は、経尿道的前立腺切除術(TURP)といわれています。以前はお腹を切る、いわゆる手術が行われてきましたが、しだいにこの方法に代わってきて、現在では前立腺肥大の治療の標準法といわれています。しかしこの方法は高度な技術を必要として、上手な医師でないとうまく出来ないのが欠点でした。とくに出血が多いのがこの方法の短所とされていましたが、切除用電極も改良され、蒸散と切除の中間をねらったものも出来ました。浜松医大はもともとこの方法を得意としていますので、これからは改良された新しいTURPをさらに発展させるつもりです。

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