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研究内容


researchtop1.jpg 節足動物の光受容器 ああああああ

researchtop2.jpg 昆虫の翅の輝き ああああああああ

researchtop3.jpg フナムシの生息環境と進化 あああ

researchtop4.jpg 昆虫のナビゲーションの世界 ああ

researchtop5.jpg 魚類視物質発色団の多様性を探る


 私たちの研究室では、生物がもつ「環世界(環境世界)Umwelt」とはどのような「設計原理」で成り立ち、生物の種や個体がもつ環世界とはどのようなものだろうか、それぞれの環世界が織り成す生命の繋がりとはどんなものだろうという興味から研究を開始しています。

 環世界という言葉は、Jakob von Uexk_ll(ユクスキュル)が1934年に著したStr_zge durch die Umwelten von Tieren und Menschen Bedeutungslehre(邦訳:生物から見た世界・新思索社)の中で紹介したものが始まりでしょう。その中心的な概念は、動物やヒトの主体が働きかけて客体に対する世界を構築するというものです。言い換えるならば、全く同じ場所に置かれたとしてもそれぞれの動物種たち、例えばホタルは,タマムシは,フナムシは,カメムシは、魚は、・・・そしてヒトはと云ったように、それぞれの種はそれぞれ大きく異なった独自の世界に生きているのではないかと考えるのです。このような環世界という概念は、当時台頭してきた実存主義を生物にも当てはめたものかもしれません。われわれ人間(主体)がまず先に実存するものだという概念をスタートとして、世界を主体と客体の二つに分けると、客体自身も主体が作り上げた世界になってしまう可能性があります。そのため、人間は真の外界を観察することができなくなると同時に自分を観察することができなくなってしまいます。これは実存主義自身が陥る問題の一つでしょう。同様に、環世界という動物が捉えている世界を主体と客体の二つに分けるならば、主体と客体が独立に別の世界に存在していると仮定したとしても、この両者は相互に作用・反作用しあうために、実質的に振動しており厳然とした主体なり客体を人間は捕らえることができないことになってしまいます。

 しかしそのような問題を含みながらも、なお生物それぞれの立場を尊重して、生物を理解しようとする環世界という概念は魅力的です。アプリオリに「物質は自分の外界に存在している。また、自己の考えが外界を造り上げてはいるが、外界には自分を構成している物質以外のものが存在していることを認めよう」と考えたいと思います。その上で、環世界の仕組みを覗くには、連綿と続いてきた進化の中で形成された生物の情報処理系に共通する「設計原理」がどのようなものかを、科学的規則に則って調べようとすることでアプローチ可能ではないでしょうか。「設計原理」とは神経情報処理系の特性に他ならないでしょう。どのような外界の構成物を濾過・修飾して、生物は情報としているのでしょうか。ここではどのような外界の構成物があるのかを物理・化学的に把握しなければならないでしょう。加えて我々は「設計原理」を形づくってきた自然淘汰という進化生物学的背景を解明することで、生物の環世界を理解しようと試みたいと思っているのです。

 上記の研究目標を遂行しようとするために、できるだけ一種類の生物に囚われるようなことをしないようにしたいと考えています。生物界全体を、自分たちの色眼鏡(自分自身の環世界)を通して広く見つめ、共通な「設計原理」を記述したいと思います。広い視点を持とうとすると、短い一生の中で我々の研究が発散してしまう危険があります。そこで、覗こうとする「設計原理」の視点を、光科学の中の「視覚情報処理」を中心にすえることで、外界の情報と個体との関係を記述できればと願っています。

 外界とやりとりすることなしに生物は生きることはできません。光が、あなたをそして私たちの研究の道を照らしてくれ、枠にとらわれずしかも足許がしっかりとした新しい科学を造っていればと、心から願っているのです。


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